エクマン螺旋(読み)エクマンらせん(その他表記)Ekman spiral

海の事典 「エクマン螺旋」の解説

エクマン螺旋

エクマン吹送流は、北(南)半球で、表面風向に対して、45度右(左)にずれ、深さと共に大きさを減じながら、さらに右へ右へ(左へ左へ)とずれてい く。この速度ベクトル先端をつないで得られる螺旋をエクマンの螺旋という。地上付近の風あるいは海底近くの流れが摩擦層内で描く速度の鉛直分布の示す螺 旋も、同様の理論から導かれ、エクマンの螺旋と呼ばれる。 (永田

出典 (財)日本水路協会 海洋情報研究センター海の事典について 情報

法則の辞典 「エクマン螺旋」の解説

エクマン螺旋【Ekman spiral】

エクマン境界層中に認められる,螺旋形をした風の高度分布をいう.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のエクマン螺旋の言及

【海洋大循環】より

…海面では海流が風に対し北半球では風下右方向(南半球なら左方向)に45度ずれて流れ,深さと共に流速が減ると同時に流向が変化していることがわかる。図2によって示される流れをエクマン流,またはエクマンらせんと呼ぶ。エクマン流の代表的な厚さ(ほとんど流れがなくなる深さ)はで表されるが,この値はAを渦粘性係数としても,現実の海ではたかだか10m程度で,海の深さ全体のうち表層のごく一部を占めているにすぎない。…

【大気境界層】より

ここでKが高さに関係なく一定とし,地表(z=0)で平均風速が0(UV=0),高さが高くなれば(z→∞),平均風速は地衡風に等しくなる(UUg,VVg)として方程式を解くと図2のようになる。これはエクマンらせんと呼ばれ,スウェーデンの海洋学者V.W.エクマンが1905年に初めて海流の運動を説明するために提案したものである。地表面近くでは地衡風の風向と約45゜の差が生じているが,実際は,地表面の粗さ,成層の安定度およびfの値によって左右されることから,45゜より小さい値を示している。…

※「エクマン螺旋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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