エチレンセンター(英語表記)ethylene center

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エチレンセンター」の意味・わかりやすい解説

エチレンセンター
ethylene center

ナフサセンター (石油精製会社) からナフサ供給を受けてエチレンの製造を担当する部門。エチレンは石油化学工業の最も重要な基礎原料であるため,エチレン製造能力は石油化学コンビナート全体の規模を示す指標として使われている。日本のエチレンセンターの総数は 12 (1991) で,そのエチレン製造能力は年産約 642万tとなっている。日本では中小エチレンセンターの乱立を防ぐため,最近建設されたエチレン製造設備1基あたりの年産能力はすべて 30万t,あるいはそれ以上となっている。アメリカには年産能力 50万~60万t級の設備がある。

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世界大百科事典(旧版)内のエチレンセンターの言及

【化学工業】より

… 通産省は,55年に〈石油化学工業育成対策〉を省議決定し,税制上の優遇措置を講じるとともに,行政指導を積極的に行う姿勢を明らかにした。第1期の計画では,四つのナフサ分解センター=エチレン・センター(日本石油化学川崎,三菱油化四日市,住友化学新居浜,三井石油化学岩国)を中心とする15社ほどの企業化計画が進められた。 第1期計画は,57年から60年までにほぼ建設を終えて操業を開始した。…

【コンビナート】より


[日本のコンビナート]
 しかし何といっても,結合の技術的連関と地域的構造が最も明快なのは,日本では1950年代半ばころから発展しはじめた石油化学コンビナートであろう。これは図に示すように,ナフサ分解工場(エチレン・センターと呼ばれる)を中心に,そこからでてくる各留分を原料とする有機合成工場,そこへナフサを送りこむ石油精製工場がそれぞれ隣接して立地し,各工場間はパイプで連結され,それぞれの工場の製品は次の工場へ原料としてパイプで送りながら,文字どおり結合生産を行うのである。こうした石油化学コンビナートを,海岸部を埋め立てて造成した,人工港湾つき工業用地に結びつけ,臨海工業地帯をつくりだしていくということが,高度成長期の日本の工業建設の軸であった。…

【石油化学工業】より

…そのなかでエチレン生産設備229万tの廃棄や塩化ビニル樹脂の共同販売会社の設立などが進められてきたが,決定的な解決策とはなりえていない。
【現代日本の石油化学工業】
 日本の石油化学工業は,全国に15ヵ所あるエチレンプラントを中心とした石油化学コンビナート(エチレン・センター)をおもな生産基地としている。これらのコンビナートを構成している企業は,一貫メーカー,オレフィン・メーカー,誘導品メーカーの三つに分けることができる。…

※「エチレンセンター」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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