朝日日本歴史人物事典 「エッゲルト」の解説
エッゲルト
生年:1848.6.19
明治20(1887)年,お雇い外国人教師として来日したドイツの経済学者。プロシャのザクセン州に生まれ,ハレ,ライプチッヒ,ゲッチンゲンの各大学で学び,理財学(経済学)および財政学の博士号を受ける。東京帝国大学法科大学教授として理財学・財政学を講義。23年からは大蔵省顧問を兼ねる。24年,地租の金納化と貨幣経済の浸透により,深刻な経済状態に置かれていた当時の農業・農村の改革案というべき『日本振農策』を発表。ヨーロッパの農業制度の例をひきつつ,農業金融,農業保険,大規模経営の促進などによる資本家的農業への道を提唱した。帰国を間近にひかえて鎌倉で病死した。<著作>織田一訳『日本振農策』(近藤康男編『明治大正農政経済名著集』3巻)
(田中学)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報