ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エルニーニョ説」の意味・わかりやすい解説 エルニーニョ説エルニーニョせつEl Niño theory エルニーニョ現象の発生が,穀物を中心とする国際商品市況の動向や,先行きのインフレ圧力を通して景気を鈍化させ,景気循環に呼応する可能性があるとする説。 1972年,エルニーニョ現象の発生により,ペルーのカタクチイワシの水揚げ量が激減し,アメリカでは農耕飼料の原料が不足することとなって,大豆の価格を急騰させた。これがアメリカの畜産物価格にはね返り,世界的規模でのインフレに火をつけた。このため 73年6月,アメリカのニクソン大統領は,大豆輸出を一時禁止した。このショックは太平洋を渡り,日本国内の豆腐生産などに大きな打撃を与えた。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by