百科事典マイペディア 「エルパラダイ」の意味・わかりやすい解説 エルパラダイ エジプトの外交官,政治家。カイロに生まれる。1962年,カイロ大学卒業。外交官として長く国連本部エジプト代表部に勤務。84年国際原子力機関(IAEA)事務局に入り要職を歴任。97年から2009年までIAEA事務局長に三選される。その間,05年,原子力エネルギーの平和利用に対する国際的貢献を評価され,IAEAとともにノーベル平和賞を受賞。10年,エジプトに帰国し,政治改革・民主化運動を組織してムバーラク大統領の長期独裁政権に反対し,リベラル派の支持を得るが,体制派の脅迫で生命の危機を感じ,ヨーロッパに出国した。11年1月に始まった,中東のジャスミン革命でエジプト全土に反政府デモが拡大するのを受け帰国,一時治安部隊に軟禁状態に置かれるが,ムバーラクは大統領を辞任し政権を軍事評議会に委譲。軍事評議会は11年9月に大統領選挙を行うと発表し,事態は沈静化した。エルパラダイは立候補の意向を固めているといわれ,今後の動向が国際的にも注目されている。 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報