日本大百科全書(ニッポニカ) 「エンマゴチ」の意味・わかりやすい解説
エンマゴチ
えんまごち / 閻魔鯒
crocodile fish
[学] Cymbacephalus beauforti
硬骨魚綱スズキ目コチ科に属する海水魚。山口県の日本海沿岸、八丈(はちじょう)島、南西諸島、パラオ、フィリピン、ボルネオ、ニュー・カレドニアなどの西太平洋に分布する。体は長く、頭部は縦扁(じゅうへん)する。目の後ろにくぼみがある。頭部側面の前鰓蓋骨(ぜんさいがいこつ)に短い、ほとんど同長の2～3本の棘(とげ)がある。眼下骨隆起は目の下に2本の棘がある以外大部分円滑。目の上に多数の皮弁がある。間鰓蓋骨の皮弁は長さより幅が広く、数個に分かれる。体は背面が暗褐色で、腹側面に多数の不規則な暗褐色斑(はん)がある。水深2～8メートル前後のマングローブ、海草が生えている場所近くの砂泥底やサンゴ瓦礫(がれき)域にすむ。体長50センチメートルになる。
［尼岡邦夫］
