改訂新版 世界大百科事典 の解説
エール・フランス国営航空[会社] (エールフランスこくえいこうくう)
Compagnie Nationale Air France
パリに本拠地を置くフランスの国営航空会社(政府保有株式98.6%)。航空会社コードはAF。国際線を中心に運営し,路線網は,ヨーロッパ,北アフリカ,中東の主要都市を結ぶ近・中距離路線と,南・北アメリカ,カリブ海諸島,アフリカ,マダガスカル,インド洋諸島,東南アジアの主要都市を結ぶ長距離路線で,全世界に及んでいる。資本主義諸国では中国路線の開設が最も早く行われた。日本には1952年より乗り入れている。1933年エール・ユニオンAir Unionほか数社が合併し設立されたが,48年国有化法が制定されて国営となった。エール・フランスの特徴の一つに,航空郵便を専用機フレンドシップF27-500型機により,国内およびヨーロッパを中心に運航していることがある。99年から一部民営化された(政府保有株式54%)。旧フランス領の航空会社チュニス航空Tunis Air,カメルーン航空Cameroon Airlines等へ援助も行っている。2004年5月,持株会社エール・フランスKLMの下でKLMオランダ航空と経営統合し,売上高で世界最大の航空グループが誕生した。
執筆者:中島 巌
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報