日本大百科全書(ニッポニカ) 「KLMオランダ航空」の意味・わかりやすい解説
KLMオランダ航空
けーえるえむおらんだこうくう
Koninklijke Luchtvaart Maatschappij N.V. オランダ語
KLM Royal Dutch Airlines 英語
オランダにある半官半民の航空会社。現存する航空会社では世界最古の歴史をもつ。略称KLM。1919年アルベルト・プレスマンAlbert Plesman(1889―1953)によって設立され、翌年から国産の飛行機DH‐16などを使用し、アムステルダム―ロンドン航路を週3回、初年度で345人を輸送した。1929、1930年にそれぞれジャカルタ航路、アフリカ航路を開設し、当時としては最長の定期航路を誇った。第二次世界大戦後ただちに再建を図り、1946年5月、ヨーロッパ―アメリカ間定期航路の一番乗りを果たし、1960年にはヨーロッパで最初にジェット機を就航させた。1993年にはアメリカのノースウェスト航空と協力関係を結び、欧米路線全便の共同運航を開始した。さらに1998年にはイタリアのアリタリア航空との間で長期業務提携協定を締結したが、2000年4月、ミラノのマルペンサ空港拡張計画の遅れが原因となり、提携は解消した。日本とは、1951年(昭和26)に初めてアムステルダム―東京間航路で結ばれた。2010年5月現在、東京、大阪の2都市から週14便を運行している。
2003年、エールフランス航空との経営統合を発表、2004年にかけて統合を行い、世界第2位の航空グループとなる共同持株会社「エールフランス-KLM」が誕生した。2009年1月にはアリタリア‐イタリア航空(2009年アリタリア航空から社名変更)の株式25%を所有し、戦略的提携関係を結んだ。国際的な航空連合スカイチームのメンバーである。2007年度では、旅客輸送2340万人、貨物輸送65万7000トン、従業員数3万3000人。保有航空機は203機で、世界258都市を結び、売上高は80億ユーロ、利益は2億9000万ユーロ。
[湯沢 威・上川孝夫]