日本大百科全書(ニッポニカ) 「オウギヒタキ」の意味・わかりやすい解説
オウギヒタキ
おうぎひたき / 扇鶲
fantail
広義には鳥綱スズメ目ヒタキ科ヒタキ亜科オウギヒタキ属に含まれる鳥の総称で、狭義にはそのうちの1種をさす。この属Rhipiduraは約40種からなり、長めの尾をしばしば扇のように開く習性から、この名がある。全長12~20センチメートル。おもにインドシナ半島、フィリピン、スンダ列島、ボルネオ島、ニューギニア島、メラネシアに分布する。森林にすんで、空中で昆虫をとるヒタキ型の採食法をとるものが多い。あわせて地上でクモなどをとる種もあり、数種は草原や沼沢地にもすむ。種としてのオウギヒタキR. rufifronsは全長15センチメートル。額、腰、尾が美しい赤褐色。11月~2月にオーストラリアの北部と東部の湿性森林で繁殖し、夏は熱帯の島で過ごす。
[竹下信雄]