化学辞典 第2版 「オクタン価向上剤」の解説
オクタン価向上剤
オクタンカコウジョウザイ
octane number improver
ガソリンのアンチノック性を増すために少量加える添加剤のことで,アンチノック剤ともいう.テトラアルキル鉛,なかでもテトラエチル鉛とテトラメチル鉛がもっとも効果があるが,鉛が人体に及ぼす影響が大きいことから,現在は国内ガソリンでの使用が禁止されている.世界的なガソリン無鉛化の動きに伴い,現在はMTBE(メチル=tert-ブチルエーテル)やETBE(エチル=tert-ブチルエーテル)のような含酸素化合物がとくに欧米を中心に使用されている.日本では,1991年からMTBEの添加(7% 以下)が認められているが,プレミアムガソリン用などに需要は限られている.一方,ETBEは,バイオエタノールをガソリンへ導入する手段の一つとして,2010年からの本格導入に備え2007年から試験的に添加(7%)がはじまっている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報