テトラアルキル鉛(読み)てとらあるきるなまり(その他表記)tetraalkyllead

日本大百科全書(ニッポニカ) 「テトラアルキル鉛」の意味・わかりやすい解説

テトラアルキル鉛
てとらあるきるなまり
tetraalkyllead

一般式R4Pbで示される有機鉛化合物四アルキル鉛ともいう。Rとしてはエチル基CH3CH2-、プロピル基CH3CH2CH2-、イソブチル基(CH3)CHCH2-などが知られている。合成は、ハロゲン化アルキルと鉛‐ナトリウム合金とを反応させるか、アルキルグリニャール試薬と塩化鉛(Ⅱ)を反応させる。

 一般に無色液体で空気中で安定。水に不溶で有機溶媒に可溶。テトラエチル鉛は、オクタン価を高める目的で、一時ガソリンに添加されていた。しかし、排気ガスといっしょに有毒な鉛化合物を大気中に拡散させる欠点がある。この公害問題の発生に対処して、高オクタン価の無鉛ガソリンの開発と普及、自動車エンジンの改良が行われ、これとともにテトラエチル鉛の規制が厳しくなり、日本では1986年(昭和61)には有鉛ガソリンの使用が禁止された。現在では、テトラエチル鉛は毒物及び劇物取締法により特定毒物に指定されている。しかし、いくつかの国では、いまでも有鉛ガソリンが使用されている。

[佐藤武雄・廣田 穰]

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