最新 地学事典 の解説
オストワルド・ライプニング
Ostwald ripening
ある母相のなかに粒径の異なる多くの異相粒子が存在するときに,小さな粒子は融解消滅し,より大きな粒子が成長する現象。オストワルド成長とも。系の自由エネルギーがほぼ平衡に達しているとき,系全体のエネルギーは,異相境界の界面エネルギーにより支配され,この界面エネルギーが駆動力となり異相粒子の平均粒径を大きくする。母相中に分散した球形粒子(析出相)を考えると,その表面における析出相成分の平衡濃度は界面エネルギーと曲率の関係で決まり,粒径の小さい粒子ほど大きくなる(ギブス-トムソン効果)。これによりある臨界半径よりも小さい粒子は溶解し,大きい粒子は成長することで,系全体の界面エネルギーの総和が減少する。その結果形成される粒径分布をLSW分布という。変成岩中のざくろ石にもこのLSW分布を示す例があり,変成結晶作用におけるオストワルド・ライプニングの重要性が指摘されている。参考文献:西山忠男ほか(1994) 鉱物雑,23巻
執筆者:西山 忠男・牧野 州明
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

