化学辞典 第2版 「オフィオボリン」の解説
オフィオボリン
オフィオボリン
ophiobolin
イネゴマ葉枯病菌Ophiobolus miyabeanusをはじめ,O.zizaniae,O.heterostrophus,O.turcicum,Cephalosporium caerulensなどの菌が生産するセスタテルペン植物毒素(phytotoxin).抗菌性を示し,植物の光合成阻害剤.オフィオボリンA,B,C,D,F,H,I,J,Kが知られている.三環性セスキテルペン.【Ⅰ】オフィオボリンA:コクリオボリン(cochliobolin)Aと同じ.C25H36O4(400.54).融点182 ℃.+270°(クロロホルム).λmax 238 nm(ε 13800).LD50 238 mg/kg(マウス,経口).【Ⅱ】オフィオボリンB:コクリオボリンB,チザニン(zizanin)Bと同じ.C25H38O4(402.55).融点175 ℃.+300°.【Ⅲ】オフィオボリンC:チザニンAと同じ.C25H38O3(386.56).融点121 ℃.+363°.【Ⅳ】オフィオボリンD:セファロン酸と同じ.C25H36O4(400.54).融点139 ℃.+76.2°(クロロホルム).λmax 258 nm(log ε 4.06).【Ⅴ】オフィオボリンF:C25H42O(358.59).融点80~81 ℃.+23°.【Ⅵ】オフィオボリンH:C25H38O3(386.57).融点125~128 ℃.小麦子葉鞘の発育を抑制する.【Ⅶ】オフィオボリンI:C25H36O3(384.55).油状物質.+48°(クロロホルム).【Ⅷ】オフィオボリンJ:C25H36O4(400.35).油状物質.+48°(クロロホルム).米の毒素.【Ⅸ】オフィオボリンK:C25H36O3(384.55).融点80~82 ℃.+168°(メタノール).いずれも野副,菅原らによって構造が決定された.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報