オブレノビッチ(英語表記)Miloš Obrenović

改訂新版 世界大百科事典 「オブレノビッチ」の意味・わかりやすい解説

オブレノビッチ
Miloš Obrenović
生没年:1780-1860

近代セルビアのオブレノビッチ王家創設者。セルビア公(1815-39,58-60)。貧農の生れで家畜を扱う商人となり,オスマン帝国に対する第1次セルビア蜂起に参加した。1815年に第2次蜂起を指導。現実主義的なオブレノビッチは第1次蜂起の失敗から教訓を引き出し,反乱を起こすと同時にオスマン政府との交渉を続けた。ナポレオン戦争終結後の国際情勢も幸いし,15年末に公として認められ,セルビアは30年に正式な自治を獲得し国際的にも承認された。セルビア発展の基礎を築いた人物として評価されている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のオブレノビッチの言及

【セルビア】より

…結局,頼みとしたロシアの支援を受けることができず,11年に及ぶ蜂起はオスマン軍によって鎮圧される。2年後の1815年,第1次蜂起にも参画したやはり家畜商人のミロシュ・オブレノビッチを指導者とする第2次セルビア蜂起が生じた。ミロシュはナポレオン戦争後の国際情勢を巧みに利用して,自治を求める現実主義的な政策を採り,オスマン帝国との粘り強い交渉のすえ,1830年に完全な自治を承認された。…

※「オブレノビッチ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android