自治(読み)じち

デジタル大辞泉の解説

じ‐ち【自治】

自分や自分たちに関することを自らの責任において処理すること。「大学の自治」「自治の精神」
地方自治」の略。⇔官治

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世界大百科事典 第2版の解説

じち【自治】

自治には,個人の自治,集団の自治,地域社会の自治(地方自治)があり,それぞれ問題状況を異にするが,自治に共通するものは自律autonomyと自己統治self‐governmentの結合である。個人が他者の統制にしばられずにみずからの規範,準則,目的といった規準を定立し,みずからの意見がみずからの行為を律する余地があるとき,そこに個人の自律ないし自治があるという。自治はついで,自己の意思が自己の行為を統制する能力,意思を行為に具現する能力を要件とする。

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大辞林 第三版の解説

じち【自治】

自分たちのことを自分たちで処理すること。 「 -の精神」 「大学の-」
人民が国の機関によらず自らの手で行政を行うこと。特に、地域団体による地方自治をさすことが多い。 ⇔ 官治

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

自治
じち

一般に人や団体が自らのことを自らの手で処理することをいう。典型的には、地方自治があり、国の行政機関の関与を排除し、地方公共団体が地方的行政事務についてその住民の意思に基づき自主的に処理することをその内容とする。地方自治は、第二次世界大戦後、日本国憲法の下で制度的に保障されたものであり(憲法8章)、通例、住民自治と団体自治をその内容とし、民主政治の基礎として理解されている。住民自治の具体的制度としては、地方公共団体の長の住民による直接選挙制(首長制)、議会の議員の直接選挙制、および直接請求制度(地方自治法5章)、住民監査請求制度(同法242条以下)などがある。その反面、国との関係で、住民の人権保障のため、対等・独立を内容とする地方公共団体の団体自治は、かならずしも十分保障されていないのが現状である。[福家俊朗]

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精選版 日本国語大辞典の解説

じ‐ち【自治】

〘名〙
① 自分のこと、あるいは自分たちのことを自身で処理し治めること。
童子問(1707)上「不学問、而信義遜譲、澹泊自治、慷慨赴義者、亦往往有之」
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉二「西山先生の塾では、別に塾則と云ふものもなく、大抵の事は自治に任せてあった」 〔礼記‐礼運〕
② 自然に治まること。
※十七箇条憲法(604)「四曰〈略〉君臣有礼。位次不乱。百姓有礼。国家自治」 〔尹文字‐大道上〕
③ 地方公共団体が、その範囲内の行政・事務を公選された人によって行なうこと。地方自治。
※将来之日本(1886)〈徳富蘇峰〉五「或は町村の自治に任す可きことも猶中央政府の牽制を受くる者あり」

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世界大百科事典内の自治の言及

【中国】より

… いうまでもなく中国は農民の国であり,このような国土の広さは大きな強みのように思われがちであるが,実際には耕地として利用されているのは全領土の10%程度にすぎないのである。その広い土地は,冬季-52℃を記録したこともあるほどの黒竜江省より純然たる熱帯の海南島――ただし,最も暑いのは海南島ではなく新疆ウイグル自治区のトゥルファン盆地で,日中の最高気温が47℃を記録したという――,さらに高地帯では標高4000m,年平均気温が-6℃,空気すら希薄なチベットを含む。山岳,砂漠,湖沼,単調な海岸,ありとあらゆる地形をそなえている。…

【統治】より

…むしろ政治は統治を含む広い意味で用いられることが多い。こうした用法では,統治に対比されるのはむしろ自治である。すなわち,統治の場合,少数者,極限的には単一者が多数者に対して秩序を強制するのに対して,自治の場合,社会の構成員全員による自発的選択によって秩序が形成される。…

※「自治」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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