人物(読み)じんぶつ

精選版 日本国語大辞典 「人物」の意味・読み・例文・類語

じん‐ぶつ【人物】

〘名〙
① 人と物。人事と万物。じんもつ。
経国集(827)一三・九日翫菊花篇〈嵯峨天皇〉「人物蹉跎皆変衰、如何仙菊笑東籬
※将門記(940頃か)「良兼の為に人物を殺し損し奪ひ掠(と)られたるの由を」 〔李白‐明堂賦〕
② 人。人間
※太平記(14C後)二七「時遷り事去て、人物古に非ざる事を感じ」
人柄ひととなり。人品
※続日本紀‐和銅六年(713)四月丁巳「制、銓衡人物、黜陟優劣、式部之任」
※天草本伊曾保(1593)孔雀と烏の事「アル カラス ヲノレガ jinbutuo(ジンブツヲ) キョウマンシ」 〔新唐書‐李揆伝〕
④ (形動) 人柄や風采のすぐれているさま。また、すぐれた人。有能な人。人材
※清原国賢書写本荘子抄(1530)二「人物な人も又我が片足ないも同じ者と王駘は見ているぞ」 〔杜甫‐贈崔十三評事公輔詩〕
⑤ 人のすがた。描画対象としての人間、またその画。人物画。
※本朝画史(1678)下「人物画法序 世画人物、精神在於阿堵中
随筆・胆大小心録(1808)六八「それからうつって山水をかくが、マア絵の古意じゃ。人物は又次で、これも聖仏の像をかいて、書典にそへておく事じゃ」

じん‐もつ【人物】

〘名〙
① (「神物」に対して) 一般俗人の所有物。じんぶつ。
菅浦文書‐正応四年(1291)九月日・紀伊国高野寺寺僧法心申状「為彼糺返捜取神物人物、粗言上如件」
② =じんぶつ(人物)①〔日葡辞書(1603‐04)〕
翁問答(1650)上「つらつら人物(ジンモツ)ありさまかんがへ見るに」

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デジタル大辞泉 「人物」の意味・読み・例文・類語

じん‐ぶつ【人物】

ひと。人間。「偉大な人物」「登場人物
人柄。ひととなり。「面接試験では主として人物を見る」「人物は確かだ」
人格才能などのすぐれた人。人材。「肚のすわった、なかなかの人物だ」
描画の対象である人間の姿・形。「人物デッサン
[類語](1ひと人類人倫万物の霊長考えるあし米の虫ホモサピエンス人士じんもの人間現生人類原始人新人旧人原人ジャワ原人北京原人直立猿人猿人ピテカントロプス/(2人柄人間人となり人格器量度量うつわにん人間性品性品格徳性人品/(3人材偉材逸材人格人間性品性品格徳性人柄人間人品

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普及版 字通 「人物」の読み・字形・画数・意味

【人物】じんぶつ

人品。

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