オリュンピウス(その他表記)Olympius

改訂新版 世界大百科事典 「オリュンピウス」の意味・わかりやすい解説

オリュンピウス
Olympius
生没年:?-412ころ

西ローマ政府の高官。黒海地方出身で,ホノリウス帝治下にスティリコを介して宮廷官職を得る。同帝とスティリコの間に生じた不和を利して,軍隊の間に反スティリコ・反ゲルマン気運を高め,スティリコ処刑に至らしめた(408年8月)。その後,書記官長マギステル・オフィキオルム)として一時西ローマ政府で勢力を振るったが,アラリック王麾下の西ゴートとの交渉における不首尾により失脚ダルマティアに逃れていたが,412年ころ,スティリコを尊敬していた将軍コンスタンティウスの命で処刑された。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 後藤

ローマ法王ともいう。ラテン語 Papaの称号はカトリック教会首長としてのローマ司教 (教皇) 以外の司教らにも適用されていたが,1073年以後教皇専用となった。使徒ペテロの後継者としてキリスト自身の定...

教皇の用語解説を読む