オルトギ酸エステル(読み)オルトギさんエステル(その他表記)orthoformic acid ester

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オルトギ酸エステル」の意味・わかりやすい解説

オルトギ酸エステル
オルトギさんエステル
orthoformic acid ester

合成化学に使われる試薬の一つ。ギ酸の水和物であるオルトギ酸 CH(OH)3 は遊離酸としては存在しないが,アルコールとのエステルとして存在する。クロロホルムナトリウムエチラートとの反応によりつくられるオルトギ酸エチルエステル HC(OC2H5)3沸点 147℃,甘い匂いをもつ液体である。水に溶けにくいが,エチルアルコールメチルアルコールによく溶ける。反応性が高く,ケトン,アルデヒドと反応し,ケタール,アセタールを容易に生成し,また活性メチレン化合物と反応し,アルコキシメチレン誘導体を生成する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

USスチール買収問題

日本製鉄は2023年12月、約141億ドル(約2兆2千億円)で米鉄鋼大手USスチールを完全子会社化する計画を発表した。国内の鉄鋼市場が先細る中、先進国最大の米国市場で、高級鋼材需要を取り込み、競争力...

USスチール買収問題の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android