オーノア夫人(読み)オーノアふじん(その他表記)Marie-Catherine Le Jumel de Barneville, comtesse d’Aulnoy

改訂新版 世界大百科事典 「オーノア夫人」の意味・わかりやすい解説

オーノア夫人 (オーノアふじん)
Marie-Catherine Le Jumel de Barneville, comtesse d’Aulnoy
生没年:1650ころ-1705

フランスの童話作家。16歳で50歳近い貴族と結婚。しかし賭博好きで放蕩者の夫を追い払おうと,まもなく母親と共に夫を偽りの不敬罪で告発するが,逆に陰謀が露見し,フランスを逃げ各地を転々とした。1685年パリに戻った彼女はサロンを開く一方,《スペイン宮廷の記録》(1690)などの宮廷秘話,旅行記や,波瀾に富んだ恋愛小説《イポリット》(1690)を発表し,文学的才能を示した。96年から99年にかけて出版された《仙女物語》をはじめとする8巻の童話集は,子どもばかりかおとなにも大好評で,シャルル・ペローの童話集と共に仙女物語の流行を生んだ。ペロー同様に,多く口承民話を素材としており,〈金髪姫〉〈青い鳥〉〈白い雌ねこ〉〈親切な二十日ねずみ〉〈緑色のへび〉〈森の雌じか〉〈愉快な王子〉などの,優雅で,繊細な気品にあふれる童話は,今なお,その魅力を失っていない。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オーノア夫人」の意味・わかりやすい解説

オーノア夫人
オーノアふじん

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