波瀾(読み)ハラン

デジタル大辞泉 「波瀾」の意味・読み・例文・類語

は‐らん【波×瀾/波乱】

大小の波。波濤はとう
「砂の浜に下りて海の―を見る」〈鴎外・妄想〉
激しい変化曲折のあること。また、そうした事態。騒ぎ・もめごとなど。「―に満ちた生涯」「政局は―含みだ」
[類語](2もめ事トラブルごたごた騒ぎ悶着摩擦どさくさいざこざ小競り合い喧嘩問題攪乱紊乱壊乱掻き乱す掻き回す引っ掻き回す

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精選版 日本国語大辞典 「波瀾」の意味・読み・例文・類語

は‐らん【波瀾・波乱】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「瀾」は大波の意 )
  2. 大小の波。なみ。波濤(はとう)
    1. [初出の実例]「凄々抱霜雪、夜々宿波瀾」(出典経国集(827)一三・夕次播州高砂〈淡海福良満〉)
    2. [その他の文献]〔謝霊運‐登池上楼詩〕
  3. 文章に、起伏や変化があること。また、詩文などの一段と精彩がある部分。
    1. [初出の実例]「羯磨百千、波瀾口吻、調伏万巻、括嚢舌上」(出典:性霊集‐八(1079)招提寺達文)
    2. [その他の文献]〔杜甫‐敬贈鄭諫議詩〕
  4. 物事に、変化や曲折があること。また、もめごと。ごたごた。騒ぎ。
    1. [初出の実例]「源氏おのづから世にほこり、四海のはらんををさめ」(出典:曾我物語(南北朝頃)一)
    2. 「波瀾の多い生涯の極印が」(出典:或る女(1919)〈有島武郎〉前)

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普及版 字通 「波瀾」の読み・字形・画数・意味

【波瀾】はらん

波だつ。起伏。変化。唐・杜甫〔敬みて諫議に贈る、十韻〕詩 毫髮(がうはつ)、恨無し 波瀾、獨り老

字通「波」の項目を見る

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