カイツブリ目(読み)かいつぶりもく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カイツブリ目」の意味・わかりやすい解説

カイツブリ目
かいつぶりもく

鳥綱の1目。この目Podicipediformesはカイツブリ科Podicipedidae1科だけからなり、6属20種の潜水鳥が属する。これらの鳥は主として湖沼や川などの淡水域で生活しているが、アカエリカイツブリやハジロカイツブリのように、一部の種はとくに冬期湾内や内湾にもすんでいる。分布極地と多くの大洋島を除いて世界的であるが、旧世界より新世界に種の数が多い。小形魚類と水生の昆虫類や小動物を食べている。体形、嘴(くちばし)、足などの外形態的特徴は比較的アビ科に近く、両者はかつて同一の目に分類されたこともある。しかし、外形態的な類似にもかかわらず、細かな解剖学上の特徴および泳ぐときの水のかき方に違いのあることから、カイツブリ科とアビ科の類似は類縁関係によるものではなく、単に潜水生活のための適応であるとみなされている。たとえ彼らが同一の祖先に由来するとしても、分化したのはかなり古い時代、おそらく第三紀の初めと推定される。

[森岡弘之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「カイツブリ目」の解説

カイツブリ目

鳥綱の目。カイツブリ科のみで構成される。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android