改訂新版 世界大百科事典 「カクモンハマキ」の意味・わかりやすい解説
カクモンハマキ (角紋葉巻)
Archips xylosteanus
鱗翅目ハマキガ科の昆虫。幼虫がリンゴ,ナシ,ナラ,シラカンバなどの広葉樹に寄生する害虫として知られている。食樹の葉を先端から筒状に巻いて食べる。成虫は開張2cm内外。年1回初夏に出現し産卵し,卵のまま越冬して,翌春幼虫が孵化(ふか)する。寒冷地のガで,北海道,本州からヨーロッパまで分布する。同属には,リンゴモンハマキA.breviplicanus(リンゴ,ナシ,クワ,ダイズなどに寄生),ミダレカクモンハマキA.fuscocupreanus(リンゴ,ナシ,サクラなどに寄生),シリグロハマキA.nigricaudanus(リンゴ,ナシ,カキなどに寄生)など数種あって,果樹園の害虫として重要なものを含んでいる。これらはすべて夜行性で,よく灯火に飛来する。
執筆者:井上 寛
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報