日本大百科全書(ニッポニカ) 「カタビロオサムシ」の意味・わかりやすい解説
カタビロオサムシ
かたびろおさむし / 肩広歩行虫
昆虫綱甲虫目オサムシ科のカタビロオサムシ属Calosomaおよびそれに近縁の一群の昆虫。世界各地に分布し、日本には4種が産する。体長20~35ミリメートルぐらいあり、黒色で背面には銅、緑など金属色を帯びることが多い。前胸は横長で、上ばねと後体部は幅が広く、肩が張っていて、後ろばねはよく発達し、樹上にいて鱗翅(りんし)類の幼虫などを捕食する益虫が多い。日本にいるクロカタビロオサムシC. maximowicziやアオカタビロオサムシC. cyanescensはこれで、エゾカタビロオサムシCampalita chinenseはむしろ畑地にいてガの幼虫を捕食することが多いという。ミヤマカタビロオサムシCharmosta lugensはきわめて少ない。
[中根猛彦]