カトリック・アクション(その他表記)Catholic Action

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カトリック・アクション」の意味・わかりやすい解説

カトリック・アクション
Catholic Action

広義には,カトリック教会において聖職者の指導のもとに一般信徒が宣教,社会福祉,教育,出版などの事業を行う組織およびその活動をいう。近代にいたって教会の存立目的達成のために聖職者に協力する信徒の役割の重要性が認識されるとともに,脚光を浴びるようになったが,そこでは特に信徒の自発性が強調されている。狭義カトリックアクション先駆は 1866年 G.カゾーニが創立した「イタリア・カトリック教会自由擁護団」であり,イタリアにおける変遷ののち,1922年ピウス 11世によるカトリック・アクション中央委員会の設置をみ,翌年のイタリアを筆頭に 1930年代にかけてほとんど全世界に広まり,日本でも活動がなされている。なお現在の活動は 37年に出された新規準によっている。

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世界大百科事典(旧版)内のカトリック・アクションの言及

【カトリック運動】より

…ここに自由主義国家への非妥協を大原則とするカトリック運動の一サイクルは終わった。そして,06年に平信徒組織は〈人民連合〉〈社会経済連合〉〈選挙連合〉に再編され,〈カトリック・アクションAzione Cattolica〉として司教監督下におかれた。この状況下では労働組合だけが北イタリアの繊維産業を中心に発展した(1918年〈イタリア勤労者同盟〉に結集)が,政党結成の動きは封じられたままだった。…

【ストゥルツォ】より

…のちローマのグレゴリアーナ大学で神学を学ぶかたわらキリスト教民主主義運動に参加,郷里で農村金庫を設立するなどの実践活動を展開するとともに,99年からは市会議員(1905年からは助役)として地方行政にも従事した。第1次大戦中の1915年教皇ベネディクトゥス15世により信者の全国組織〈カトリック・アクション〉書記長に抜擢され,19年にはイタリア史上初のカトリック政党イタリア人民党(1926年まで存続)を創設,書記長となった。彼は19年総選挙で100議席を擁する議会第二党となった同党を信者組織とは一線を画す非宗派政党だとし,宗教利益よりは小農保護や地方分権などの社会改革を追求する国民政党だとした。…

※「カトリック・アクション」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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