精選版 日本国語大辞典 「筆頭」の意味・読み・例文・類語
ひっ‐とう【筆頭】
〘名〙
① 筆の先。転じて、文章などを書くこと。
※本朝麗藻(1010か)下・和戸部尚書同賦寒林暮鳥帰〈具平親王〉「元白親情牋上出、楊班古意筆頭残」
② 書き始めること。書き出し。
③ 名前などを書き連ねた中の第一番め。第一位。多数の中で一番であること。また、そのような人やもの。最もおもだった人やもの。「老中筆頭」「与力筆頭」
※歌舞伎・幼稚子敵討(1753)二「其元は筆頭の儀でござれば」
④ 筆のように先のとがった頭。〔魏書‐古弼伝〕
⑤ 「まえがしらひっとう(前頭筆頭)」の略。
ふで‐がしら【筆頭】
〘名〙
① 筆の穂先。ひっとう。
② 列記した人名中の第一。連名者の首席。ひっとう。
※洒落本・傾城買二筋道(1798)夏の床「『広小路の十哲のうちでは顔淵といふものだぜ』『なんのこったへ』『いいやよ。ふでかしらだといふ事よ』」
③ 江戸時代、村役人の一つ。書記をつかさどるもの。また、組頭をいう場合もある。
※歌舞伎・傾情吾嬬鑑(1788)序幕「鎌倉組の筆頭(フデガシラ)寺西閑心さまだワ」
④ 江戸時代、相撲会所の取締をいった。
⑤ =ふでおや(筆親)
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