カナ政治(読み)カナせいじ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カナ政治」の意味・わかりやすい解説

カナ政治
カナせいじ

タイ独特の政治構造。有力な個人中心にした派閥的政治集団である「カナ」が,武力背景政治権力を奪取し,その後,別の「カナ」が権力掌握を目指して政権と対抗するという構図が繰返されるのが「カナ政治」である。タイでは,1932年の立憲革命以降,ほぼ半世紀にわたって「カナ政治」が展開されてきた。この政治的伝統は 80年代には途絶えたかにみえたが,チャチャイ政権を倒した 91年2月のクーデターで誕生したアナン暫定政権は,この「カナ政治」を久々に復活させたものであった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android