カフターン(その他表記)Qahtān

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カフターン」の意味・わかりやすい解説

カフターン
Qahtān

南アラブ族の祖先とされる伝説上の人物イスラム教徒の系譜学者は,旧約聖書のヨクタンと同一としている。6世紀には南アラブ族も北方に移住し,同じくアドナーンを伝説上の祖先とする北アラブ族の間に住みついた。初期イスラム史では,この南北アラブの対立がしばしば政治を左右した。

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世界大百科事典(旧版)内のカフターンの言及

【アラブ】より


[イスラム以前のアラブ]
 8,9世紀ごろ記録にとどめられたアラブ自身の民族的伝承によれば,アラブは,(1)失われたアラブ(アラブ・アルバーイダ),(2)真のアラブ(アラブ・アルアーリバ),(3)アラブ化したアラブ(アラブ・アルムスターリバ)に分けられる。(1)は神によって絶滅させられたとコーランに記されるアード族やサムード族をさし,(2)はカフターンを祖とする南アラブでヤマン族ともいい,(3)はアドナーンを祖とする北アラブでカイス族ともいう。のちに整えられたアラブの系譜では,カフターンは《創世記》10章25節以下のヨクタンに比定され,アドナーンはアブラハムの息子イシュマエルの子孫とされる。…

※「カフターン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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