改訂新版 世界大百科事典 「カマウ半島」の意味・わかりやすい解説
カマウ半島 (カマウはんとう)
Camau Peninsula
ベトナム南端,メコン川デルタの南西部を占める地方。だいたいシャム湾に臨むラチジャーとデルタ南部のビンロイを結んだ線以西とみてよい。メコン・デルタの沖積作用は著しく,デルタの幅も350kmに及び,毎年60~80mの割合で伸長している。カマウ半島も大部分標高2m以下で,南西端のカマウ岬も土地が低く,樹木に覆われ,岬の周囲には浅瀬があるので,〈岬を回る船舶は少なくとも12海里以上これから離れよ〉と水路誌にある。近代にフランスの植民地とされてからデルタの開発は著しく,特にフランス人の米の大プランテーションはこの半島部に集まっていた。今も大部分水田地帯であるが,北西部(ウーミンの森)やカマウ岬周辺は未開拓で人口希薄な地域である。
執筆者:別技 篤彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報