水上を航行して貨客を輸送する構造物。商法上は、商行為をなす目的で航海の用に供するもの(商船)としている(商法684条)。しかし、公用船(自衛艦、海上保安庁の巡視艇など)以外の商行為を目的としない航海船に対し、海商法の規定を準用している(船舶法35条)ので、漁船なども商法上船舶である。ただ、端舟(たんしゅう)、櫓櫂船(ろかいせん)、推進器のない浚渫船(しゅんせつせん)は除外される。船舶は、主として機械力で運航する汽船と主として帆で運航する帆船に分かれるほか、総トン数20トン以上の登記しうる登記船(登簿船)と20トン未満の不登記船(不登簿船)、梁(はり)・肋骨(ろっこつ)・船尾材を備える西洋型船とそうでない日本型船、日本の国籍を有する日本船舶とそうでない外国船舶などに分類される。船舶は法律上動産であるが、船舶登記制度や抵当権の対象となるなど、法律上不動産的な取扱いがなされている。なお、1900年(明治33)に制定された「船舶法取扱手続」に、船舶の名称にはなるべく末尾に「丸」の字を付することという項があったが、2001年(平成13)に廃止となった。
[戸田修三]
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…また敵国で設立されたものではないが,そこで業務を営む法人についても,その敵性が認められる傾向にある。船舶の敵性については,その国籍により決定される。敵国旗の下で航行する船舶は,その所有者の国籍のいかんを問わず,敵性を有する。…
…慣例では,大型のものには〈船〉,ごく小さいものには〈舟〉を用いるのがふつうである。なお,法規上は〈船舶〉という語が使われる。
【船の歴史】
ごく初期の舟には,大別して三つの構造様式がある。…
※「船舶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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