日本大百科全書(ニッポニカ) 「カルー高原」の意味・わかりやすい解説
カルー高原
かるーこうげん
Karroo Plateau
南アフリカ共和国、旧ケープ州(現・東ケープ州、西ケープ州、北ケープ州)中南部のケープ褶曲(しゅうきょく)帯の山地と、南岸地域のグレート・エスカープメントGreat Escarpmentといわれる急崖(きゅうがい)地帯との間にある盆地状の高原。グレート・カルー高原Great Karroo Plateauともいう。平均標高は600~900メートル。地形としての性格は河川の侵食による流域盆地の集まったもので、地質構造に起因するものではない。おもな河川は西からドールン川、ガムカ川、グルーテ川、サンディズ川などである。この地域は全体に乾燥しており、年降水量は西部で約100ミリメートル、東部で300ミリメートルほどである。このため植生は乾性の低木疎林(そりん)となっているが、山地周辺は灌漑(かんがい)により甘橘(かんきつ)類を主体とする農地が分布する。内陸とケープ・タウンを結ぶ幹線道路がこの地域を西南西から東北東へ向けて走り、また東部ではポート・エリザベスからの横断道路も通じている。この幹線道路に沿ってグラーフ・レイネット、ビューフォート・ウェスト、プリンス・アルベルトなどの集散都市がある。
[堀 信行]