カワヨウジ(読み)かわようじ(英語表記)banded freshwater pipefish

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カワヨウジ」の意味・わかりやすい解説

カワヨウジ
かわようじ / 河楊枝
banded freshwater pipefish
[学] Hippichthys spicifer

硬骨魚綱トゲウオ目ヨウジウオ科に属する汽水魚。千葉県~南西諸島、太平洋、インド洋に広く分布する。和名河口汽水域に生息することに由来する。躯幹(くかん)部の腹面に13本の白い横帯があるのが顕著な特徴。体がきわめて細長く、尾部が著しく長い。躯幹部の中央隆起線が後部で腹方へ曲がる。背びれは尾部の第2輪板の上またはそれより後ろから始まる。河川汽水域やマングローブの水路に多くみられる。小さい甲殻類を食べる。つがいでいることが多く、産卵は夏から秋に河川で行われる。全長17センチメートルほどになる。本種に似たアミメカワヨウジには躯幹部に白色横帯がなく、背びれは第1輪板上から始まる。これらの種以外にもテングヨウジ、ヒメテングヨウジ、イッセンヨウジ、ホシイッセンヨウジ、タニヨウジ、ガンテンイシヨウジ、ハクテンヨウジなどが日本の汽水域から淡水域にすむ。

[尼岡邦夫]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

放射冷却

地表面や大気層が熱を放射して冷却する現象。赤外放射による冷却。大気や地球の絶対温度は約 200~300Kの範囲内にあり,波長 3~100μm,最大強度の波長 10μmの放射線を出して冷却する。赤外放射...

放射冷却の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android