改訂新版 世界大百科事典 「カールバウム」の意味・わかりやすい解説
カールバウム
Karl Ludwig Kahlbaum
生没年:1828-99
ドイツの精神医学者。ドレスデンに生まれ,ケーニヒスベルク(現,カリーニングラード),ビュルツブルク,ライプチヒ,ベルリンの各大学に学ぶ。ケーニヒスベルク大学の私講師(1863-66)を務めたのち,ゲルリッツの私立精神病院に赴任,ついで同院長となる(1867)。精神疾患の状態像および経過と転帰への注意を促し,症状群Symptomenkomplex,疾患型Typeusの概念を提唱した。緊張病,破瓜病,類破瓜病,蠟屈症などはいずれも彼の命名によるものであるが,とりわけ緊張病は,弟子ヘッカーE.Heckerに記述させた破瓜病とともに,クレペリンの早発性痴呆(早発性認知症)概念の先駆となった。19世紀のドイツ精神医学を代表する人物の一人。
執筆者:武正 建一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報