クレペリン(読み)くれぺりん(英語表記)Emil Kraepelin

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クレペリン」の意味・わかりやすい解説

クレペリン
くれぺりん
Emil Kraepelin
(1856―1926)

ドイツの精神医学者。メクレンブルクのノイストレリッツに生まれる。ライプツィヒ大学医学博士学位をとり、ミュンヘン大学、ライプツィヒ大学、ハイデルベルク大学などで教えた。師のW・ブントを非常に尊敬し、心理学の連想実験を精神医学に取り入れた。また精神病の体系的分類を行い、早発性痴呆(ちほう)(後にスイスブロイラースキゾフレニア統合失調症)という名称提唱)とそううつ病とに2大別するとともに、精神病の原因は器質的なものでその経過を予測することができると考えた。作業検査の開発者でもあり、それが日本の内田クレペリン精神作業検査(クレペリン検査)のもとになった。「現代精神医学の父」とよばれることがある。主著に『精神医学綱要』(1883)がある。

[宇津木保]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クレペリン」の意味・わかりやすい解説

クレペリン
Kraepelin, Emil

[生]1856.2.15. メクレンブルク,ノイシュトレーリッツ
[没]1926.10.7. ミュンヘン
ドイツの精神医学者。一時,W.ブントに師事。ドルパト大学,ハイデルベルク大学教授を経てミュンヘン大学教授。そこで精神医学研究所を創設 (1917) 。精神病の系統的分類の基本体系をつくったことは大きな業績である。また,精神薬理学を研究し,実験心理学の方法を臨床に応用した。さらに精神病者の性格特性の分析に基づき,作業による性格検査を考案した。主著『精神医学教科書』 Compendium der Psychiatrie (1883) 。

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