キアブ(読み)きあぶ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キアブ」の意味・わかりやすい解説

キアブ
きあぶ / 木虻

昆虫綱双翅(そうし)目短角亜目アブ群キアブ科Xylophagidaeの総称。頭部は短く、複眼雌雄とも離眼的。触角の第1節は長く、鞭節(べんせつ)は8個の小環節を数える。顔面は扁平(へんぺい)かまたは中央部は隆起するが、中央部と眼縁部との間に深い溝はない。胸部は長い。はねは長く、前縁脈は径脈までで終わり、はねの後縁には達しない。脚(あし)が細く、前脚脛節(けいせつ)末端には距刺(きょし)がある。腹部は細長い。キアブ科の近縁にキアブモドキ科Solvidaeがあるが、キアブモドキ科ははねの第3中室が開口しているのに対し、キアブ科は完全に閉鎖されていることにより区別される。キアブ科には、日本各地に分布するホシキアブXylophagus matsumuraiがある。これは体長、翅長とも12ミリメートル内外で、体は灰黒色。触角の第1節は円筒状で、長さは幅の3倍強。はねは帯褐色で、亜前縁室末端より中室基部にかけて黒褐色の明瞭(めいりょう)な斑紋(はんもん)がある。脚は黒褐色で各跗節(ふせつ)は黄褐色。

[伊藤修四郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android