化学辞典 第2版 「キサント塩」の解説
キサント塩
キサントエン
xantho salt
ペンタアンミンニトロコバルト(Ⅲ)塩([Co(NO2)(NH3)5]2+ を陽イオンとする錯体)のこと.([別用語参照]アンミン錯体,ニトロ錯体).W. Gibbs(ギブズ)が1852年に発見し,黄色であることからギリシア語のξανθοσ(xanthos)にもとづき,キサント塩と命名した.[Cr(NO2)(NH3)5]2+ も同様の色なので,これも含めることもある.また,結合異性体の黄赤色のペンタアンミンニトロソコバルト(Ⅲ)塩を,イソキサント塩ということもある.[Co(NO2)(NH3)5]Cl2は,[CoCl(NH3)5]Cl2をアンモニア水に溶かし,これを塩酸で酸性にした後にNaNO2を加え,加熱後冷却すると沈殿として得られる.水溶液を加熱したり,光にさらすと分解が起こる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報