ギブズ(英語表記)Gibbs, James

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ギブズ」の意味・わかりやすい解説

ギブズ
Gibbs, Josiah Willard

[生]1839.2.11. コネティカット,ニューヘーブン
[没]1903.4.28. コネティカット,ニューヘーブン
アメリカの物理学者,理論化学者。エール大学卒業後実験的研究にたずさわり,1863年アメリカで最初の工学博士となった。 66年フランスとドイツに留学し,G.キルヒホフ,H.ヘルムホルツらのもとで学び,帰国後エール大学の数理物理学教授となって (1871) ,終生この大学で理論的研究に専念した。 76~78年,多成分多相系の平衡についての論文を発表,化学ポテンシャル自由エネルギー概念を展開したが,相律を導き出したきわめて数学的な内容であったのと発表された雑誌がアメリカの地方学会誌であったために,92年 F.W.オストワルトがドイツ語訳を公刊するまで埋もれていた。ほかに熱力学の化学への応用浸透圧,表面張力,電気化学に関する研究などは近代物理化学の基礎をなすものといわれる。 1902年には論文『統計力学の基礎原理』 Elementary Principles in Statistical Mechanicsを発表,のちの量子統計力学への道を開いた。

ギブズ
Gibbs, James

[生]1682.12.23. アバディーン近郊
[没]1754.8.5. ロンドン
イギリス,スコットランドの建築家。ローマでカルロ・フォンタナに学び,1709年ロンドンで開業。最初の聖堂建築セント・メリー・ル・ストランド聖堂(1714~17)でバロック的な彫塑性を示した。またトラファルガー広場のセント・マーティン・イン・ザ・フィールズ聖堂(1720設計)はパラディオ様式で,特にアメリカ合衆国で英国教会派聖堂のモデルとみなされ,無数の模倣作品を生んだ。ケンブリッジ大学キングズ・カレッジのセネト・ハウス(1722~30),オックスフォード大学のラドクリフ図書館(1737~49)も傑作の名が高い。著書『建築書』A Book of Architecture(1728)。

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