ニトロ錯体(読み)ニトロサクタイ

化学辞典 第2版 「ニトロ錯体」の解説

ニトロ錯体
ニトロサクタイ
nitro complex

NO2が中心金属原子とN原子で結合した錯体の総称.O原子で配位した錯体をニトリト(nitrito)錯体といい,ニトロ錯体と結合異性の関係にある.ニトロ錯体は対応するニトリト錯体に比べて安定で,加熱加圧によってニトリト錯体がニトロ錯体に異性化する.Na3[Co(NO2)6]は Co錯体の合成原料として重要で,ニトロ基ほか配位子,とくにキレートをつくるアミン配位子と容易に交換する.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のニトロ錯体の言及

【亜硝酸】より

… 亜硝酸イオンは窒素を中心とした折れ線型構造である。遷移金属イオンに配位して錯体を形成する場合,中心の窒素で配位結合をつくるものをニトロ錯体,酸素で配位するものをニトリト錯体と呼ぶ。前者の例にはニトロペンタアンミンコバルト(III)塩化物[Co(NO2)(NH3)5]Cl2,後者の例にはニトリトペンタアンミンコバルト(III)塩化物[Co(ONO)(NH3)5]Cl2などがある。…

※「ニトロ錯体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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