日本大百科全書(ニッポニカ) 「キシタアゲハ」の意味・わかりやすい解説
キシタアゲハ
きしたあげは / 黄下揚羽
golden birdwing
[学] Troides aeacus
昆虫綱鱗翅(りんし)目アゲハチョウ科に属するチョウ。台湾に産する大形の華麗チョウとして第二次世界大戦前から日本によく知られていたチョウで、台湾では南部と東海岸に産する。この種はさらに中国(中南部)、マレー半島、タイ、ミャンマー(ビルマ)、ヒマラヤ地方にかけて分布する。はねの開張105~125ミリメートル程度。前ばねは黒色、後ろばねは黄金色に輝く。幼虫の食草はウマノスズクサ科植物。キシタアゲハの仲間であるトロイデス属Troidesは台湾や中国ではわずか1種にすぎないが、スンダ列島を中心に東南アジアに十数種を産する。
[白水 隆]