キジバ王国(読み)キジバおうこく

改訂新版 世界大百科事典 「キジバ王国」の意味・わかりやすい解説

キジバ王国 (キジバおうこく)

東アフリカのタンザニア北西部,ビクトリア湖西岸のカゲラ河口付近に存在した小王国。住民はハヤHaya族の一支族であった。ハヤ族北方ブニョロ王国から14~15世紀ころ移住してきた牧畜民ヒマと農耕民イルから成る,成層化した部族である。17世紀初めころ,バビト朝ブニョロ王国の王族イガバの2人の息子,ルヒンダとキビがハヤ族を支配下に収め,キジバKiziba王国がキビによって建国され,ブニョロ王国の属国となった。王(ムカマ)は牛と聖なる太鼓を所有し,神王の性格を与えられていた。王が病気になると,国家も衰退するので絞殺されたという伝承もある。宮廷では,王子たちの会議と,宰相を中心とする平民会議が王を補佐した。1890年にドイツ領東アフリカの一部となり,1919年からイギリスの委任統治領タンガニーカに編入された。植民地時代には王はハヤ族評議員として地方自治体の構成員となったが,王国内の自治はかなり認められていた。61年のタンガニーカ独立とともに王国は消滅した。
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