牧畜民(読み)ぼくちくみん(その他表記)pastoral people

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「牧畜民」の意味・わかりやすい解説

牧畜民
ぼくちくみん
pastoral people

生業基盤牧畜におく人々。中近東,中央アジアを中心として,ヨーロッパからヒマラヤ山脈地帯,アフリカのサハラ周縁部,南米のアンデス山岳地帯など比較的乾燥した地域に住む。主としてヒツジヤギロバ,ウマ,ラクダ,トナカイ,リャマ,アルパカといった群居性の有蹄類を家畜として飼育し,その乳や肉,毛,皮などを利用するとともに,運搬用としても活用する。牧畜民の多くはかたわらで農耕も営み,農耕集落を定めたうえで遊牧のための季節的移動をする場合も多い。 (→遊牧民 )  

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の牧畜民の言及

【家畜】より

…まさに無名なる存在なのである。それに対して牧畜民は,性,年齢,経産の有無,乳産の有無,去勢の有無等生理的特徴に応じて群内個体を類別的に弁別し指示する名称群をもっている。また搾乳による母子介入という点からも,母子系列が注目され,東アフリカの例にもみられるように,その系列ごとに固有名が付されることもある。…

※「牧畜民」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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