キバビル(読み)きばびる

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キバビル」の意味・わかりやすい解説

キバビル
きばびる / 牙蛭
[学] Odontobdella blanchardi

環形動物門ヒル綱咽蛭(いんびる)目イシビル科に属する陸生動物。口中に3本の牙(きば)をもつのでこの名があり、体は扁平(へんぺい)な円柱形で、長さが20センチメートルにもなる。体色は黒灰色から暗褐色で、斑紋(はんもん)はない。1体節は2小体環、2大体環、5小体環からなるが、個体によって異なる場合もある。頭部の前端に1対の眼点があるが、幼体ではこのほかに6個の小眼が認められる。環帯は第10~13体節間を占める。後吸盤円形で、肛門(こうもん)は後吸盤よりすこし前方の背側に開く。沼や池にすむが、陸上にもすみ、両生性である。完全な肉食性で、ミミズやその他の動物を食べる。本州、四国、九州に産し、中国大陸にも分布する。

[今島 実]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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