キリストの三職位(読み)キリストのさんしょくい(その他表記)munus (officium) Christi triplex

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キリストの三職位」の意味・わかりやすい解説

キリストの三職位
キリストのさんしょくい
munus (officium) Christi triplex

旧約聖書においては,おのおの別個のものとされている預言職 (教導職) ,祭司,王の3つの職位と権能が救い主イエスキリストの人性にまったき形式でそなわっているとする教理で,洗礼を受けた信者はすべてこの職位にあずかるとされる。イエスは,『マタイによる福音書』 21章 11では預言者,『ヘブル人への手紙』3章1では大祭司,『ヨハネによる福音書』 18章 37では王と呼ばれている。しかしそれをキリストの三職位として教理化したのは4世紀のカイザリアのエウセビオスであり,彼以前はキリストの職位は王と祭司であるとされていた。この教理はスコラ学やローマ教会ではほとんど無視されていたが,のち J.カルバン,J.ゲルハルトあるいは F.シュライエルマッハー,A.リッチュルらによって,また現代の神学では E.ブルンナーや H.シュテファンらによって取上げられ,今日ローマ教会でも広く認められるようになった。

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