日本大百科全書(ニッポニカ) 「キルポーチン」の意味・わかりやすい解説
キルポーチン
きるぽーちん
Валерий Яковлевич Кирпотин/Valeriy Yakovlevich Kirpotin
(1898―1980)
ソ連の文芸学者、批評家。モスクワの赤色教授養成大学卒業後、共産主義アカデミー文学・言語研究所長を経て、1932年に党中央委員会芸術・文学部長兼ソ連作家同盟組織委員会書記。34年第1回全ソ作家大会で社会主義リアリズムの理論家として『ソ連の劇文学について』を報告。1956年からゴーリキー文学大学教授。主著には『ピーサレフ論』(1929)、『シチェドリン論』(1939。1955再版)のほか、『若きドストエフスキー』(1947)から『芸術家ドストエフスキー』(1973)に至る多くのドストエフスキー研究書がある。
[箕浦達二]
『キルポーチン著、黒田辰男訳『ドストエーフスキイのリアリズムの独自性』(1971・啓隆閣)』▽『キルポーチン著、黒田辰男訳『ドストエーフスキイの世界と自己』(1972・啓隆閣)』