ギャブ協定(読み)ギャブきょうてい(その他表記)General Arrangement to Borrow; GAB

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ギャブ協定」の意味・わかりやすい解説

ギャブ協定
ギャブきょうてい
General Arrangement to Borrow; GAB

一般借入れ取決めのこと。国際通貨基金 IMFの融資資金不足を補い,国際通貨体制の安定に資するため,先進 10ヵ国 (アメリカ,西ドイツ,イギリス,フランス,イタリア,日本,カナダオランダベルギースウェーデン) 間で 1962年に締結されたスタンドバイ・クレジット方式による相互援助取決めをいう。参加国が自国通貨防衛のため IMFから一般資金を引出す際に,他の国が一定の範囲内で IMFへの貸付けを行うことによって資金援助するというもので,実際にはドル防衛とアメリカからの金流出防止をねらいとした。本協定の発動にあたっては,全会一致を原則とし,一致しない場合は借入国を除外して投票を行い,投票国の3分の2,かつ加重投票権の5分の3以上の多数決で決定する。 83年末に発効した新ギャブ協定では,64年に2億ドルを限度に準加盟していたスイスが正式に参加し,資金規模は当初の 64億 SDRから 170億 SDRへと拡大され,さらに IMFは 10ヵ国以外への貸出しにも GABを利用することができるようになった。

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