日本大百科全書(ニッポニカ) 「クチベニヒモムシ」の意味・わかりやすい解説
クチベニヒモムシ
くちべにひもむし / 口紅紐虫
[学] Micrura bella
紐形(ひもがた)動物門無針綱リネウス科に属する海産動物。日本の太平洋沿岸に沿って北上し、アラスカ、カナダを経て北アメリカのカリフォルニア沿岸まで分布する。体長25ミリメートル、体幅0.5~1ミリメートル。体背面は紫紅色で、20本前後の白色の横縞(よこじま)があり、体側縁と腹面は白色、頭部前半は背腹ともに朱色。体は丸みを帯び、頭部前端と体後端は鈍円状。体末端に白色の尾毛状突起がある。吻道口(ふんどうこう)は小さく頭端にある。口は頭横溝後端の腹面中央に開き、頭横溝は頭部側縁を縦走する。浅海の石の下や海藻の根の中にいる。近縁種に、アラスカの沿岸に分布するアラスカクチベニヒモムシM. verrilliがいる。
[岩田文男]