沿岸(読み)えんがん

日本大百科全書(ニッポニカ)「沿岸」の解説

沿岸
えんがん

海、湖、大河川などの水域に沿った場所のこと。陸地に沿った水域のうち、低潮線から大陸棚外縁までの海洋の浅海部をさすことが多い。また、湖のから水深10メートルぐらいまでの浅い水域をいうこともある。しかし、海や湖、河川などに接した陸地の細長い帯状の土地をさすこともあり、それらは海岸、湖岸、河岸ともよばれている。

 海域をさす場合には、沿岸帯、沿海ともよぶ。この海域は領海や専管水域でもあり、魚貝類が集まり沿岸漁業の行われる場所でもある。ここは海底地形が変化に富み、底質は砂泥や礫(れき)、岩からなる。沿岸の海水は陸地の影響を受けやすく、都市化した地帯や工業地帯の沿岸では、生活排水や工場廃液などが流入し水質汚濁が進み、それとともに赤潮の発生などの問題が出ている。沿岸の陸地は海陸風が出現し、温和な沿岸気候に恵まれることが多い。また海岸の平地が広がり、漁村や港湾が発達し、商工業都市などが形成されて、人口が集中する傾向がある。

[豊島吉則]

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デジタル大辞泉「沿岸」の解説

えん‐がん【沿岸】

陸地の、海・川・湖などに沿った部分。「地中海沿岸の国々」
海・川・湖などの、陸地に沿った部分。「沿岸での漁業」

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岩石学辞典「沿岸」の解説

沿岸

湖や海の沿岸をいい,littoralは海岸では亜沿岸帯高潮線との間の最も岸に近い海洋部分を指している[ランダムハウス : 1994].海岸線で,満潮水準と干潮水準の間で形成された堆積物に用いる[Naumann : 1862, Holmes : 1965].ラテン語のlitusは岸の意味.

沿岸

潮間帯

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精選版 日本国語大辞典「沿岸」の解説

えん‐がん【沿岸】

〘名〙
① 海、湖、川などに沿った陸地の部分。
※日本風景論(1894)〈志賀重昂〉四「沿岸岩石の赭褐色をなせる蔵王岳西の蔵王沼(磐城)」 〔沈佺期‐入衛作詩〕
② 海、湖、川などの岸に沿った水域。
経国美談(1883‐84)〈矢野龍渓〉後「東海の沿岸に独立を保ち」

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