クムレン

化学辞典 第2版 「クムレン」の解説

クムレン
クムレン
cumulene

脂肪族不飽和炭化水素のうち,プロパジエン(CH2=C=CH2)に代表される集積二重結合(cumulative double bond)をもった化合物の総称.

R2C=(C=)nCR2

のような一般式で表される.置換基をもたないクムレン類は反応性に富み,一般に不安定であるが,かさ高い置換基やアリール置換基をもつものは比較的安定であり,多くの化合物が合成されている.両端sp2 炭素とその間のsp炭素までの炭素骨格は直線状であるが,二重結合の数により末端の置換基の方向が異なるのが特徴である.したがって,非対称置換クムレンのうち,二重結合を偶数個もつものは光学異性体が存在し,奇数個の二重結合のものでは幾何異性体が存在する.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android