クモ形類(読み)くもがたるい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クモ形類」の意味・わかりやすい解説

クモ形類
くもがたるい

節足動物門の1綱を構成する動物群。蛛形類(しゅけいるい)(綱)ともいい、この語はほかに「ちゅけいるい」とも読まれる。クモ形類は、頭部と胸部が癒合して頭胸部を形成し、6対の肢(あし)は上顎(じょうがく)(鋏角(きょうかく))、触肢(しょくし)(脚鬚(きゃくしゅ))、および4対の歩脚となる。昆虫のような触角はない。目は単眼だけで複眼はない。腹部の肢は消失しているものや、真正クモ類(目)の出糸突起やサソリ類(目)の櫛状(しつじょう)板に変形しているものがある。呼吸器官は書肺(肺書ともいう)および気管である。多くの種類は変態をしないで成長するが、ダニ類(目)のように幼体の歩脚3対がのちに4対になるものもある。以上がクモ形類の顕著な形態特徴である。

 クモ形綱は次の九つの目に分類され、世界に約4万7200種が知られている。(1)サソリ目(約600種)、(2)ムチサソリ目(約180種)、(3)ヒヨケムシ目(約650種)、(4)カニムシ目(約2000種)、(5)コヨリムシ目(約30種)、(6)真正クモ目(3万種)、(7)クッコムシ目(約20種)、(8)ザトウムシ目(約3700種)、(9)ダニ目(約1万種)。

[八木沼健夫]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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