日本大百科全書(ニッポニカ) 「クラズミウマ」の意味・わかりやすい解説
クラズミウマ
くらずみうま / 倉住馬
[学] Tachycines asynamorus
昆虫綱直翅(ちょくし)目カマドウマ科に属する昆虫。家屋内にすむ中形のカマドウマの1種。体長15ミリメートル内外。全身淡黄褐色の地に薄い褐色のまだら模様をもつ。つやはない。前脚(あし)の腿節(たいせつ)の下縁に棘(とげ)があり、後脚の脛節(けいせつ)の背縁の棘は数多く、密に並ぶ。雌の産卵管は10ミリメートルで、長いほうである。産卵管の先はしばしば後ろ脚膝部(しつぶ)に達する。成虫は一年中みられ、雑食性で、室内の有機物を食べる室内清掃者である。日本全土に分布し、人家の台所などのほか倉庫などにもいる。ヨーロッパやアメリカには日本から侵入して帰化したものが温室内にすむ。
[山崎柄根]