クリームヒルト(その他表記)Kriemhild

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クリームヒルト」の意味・わかりやすい解説

クリームヒルト
Kriemhild

ドイツ中世の英雄叙事詩ニーベルンゲンの歌』の女主人公。ブルグンドの王グンテルの妹で,ジークフリートの妻。グンテルはブルーンヒルトに求婚したとき,隠れみのをつけたジークフリートに助けてもらい,妹を彼に与える。クリームヒルトはブルーンヒルトと争い,王妃の結婚の秘密を暴露する。それが原因となって,グンテルの家臣ハーゲンがジークフリートの弱点をクリームヒルトから聞き出し,ジークフリートを謀殺する。夫を殺されたクリームヒルトはフン族の王エッツェル (アッチラ) と結婚し,ハーゲンおよびブルグンドの王一族を自分の城に招いて皆殺しにする。

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世界大百科事典(旧版)内のクリームヒルトの言及

【ニーベルンゲンの歌】より

…前半はジークフリートの死が主題で,その素材は13世紀中葉にアイスランドで収集された歌謡エッダ,散文エッダ,《ボルスンガ・サガ》などにのこる古伝説である。後半はクリームヒルトKriemhild(クードルーン)の復讐が主題で,その素材は12世紀中葉にドナウ川流域で書かれたといわれるブルグント族滅亡の叙事詩である。 ネーデルラントの王子ジークフリートは,ブルグント王グンテルGuntherのブリュンヒルトBrynhild(ブリュンヒルデ,ブルンヒルデ)との結婚を〈隠れ蓑〉の力を用いて助け,代りにその妹クリームヒルトとの結婚を許される。…

※「クリームヒルト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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